日本助産学会誌
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産褥早期の電話訪問に関する評価研究
継続的なかかわりを通して
石井 美里
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2000 年 14 巻 1 号 p. 4-13

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抄録
本研究は, 継続的な電話訪問が, 産褥早期の初産婦にどのような効果をもたらすかを明らかにすることを目的として行った。退院後から1か月間に, 2回以上の電話訪問を行い, 電話訪問を行わない通常のケアを受けている初産婦と比較, 分析した。
研究は, Reva Rubinによる, 産褥期間の取り込み段階 (Takingin) の概念枠組みを取り入れた。実験群には退院後1か月以内に2回以上の電話訪問を行った。質問紙は,【産褥早期の褥婦】として,『身体の変化』『時間と生活リズム』『自己尊重』の3つのカテゴリーで構成したものと【医療者のかかわりに対する褥婦の受け止め】とし, 質問紙を作成した。それぞれ, 構成概念妥当性, 信頼性を確認した。
電話訪問を行った41名を実験群, 行わなかった42名を対照群とした。両群の人口動態的特性に有意差はみられず, 同質の対象グループであると考えられた。【産褥早期の褥婦】の『時間と生活リズム』における「自分の時間を持つ」,『身体の変化』における「身体の回復感」の2点において, 実験群に有意な結果が認められた。また,【医療者のかかわりに対する褥婦の受け止め】における『話を聞いてもらう』ということに効果を示す結果が認められた。
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