植物研究雑誌
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中央ネパール・ムスタン地域から見いだされたイネ科イチゴツナギ属の一新種
K. R. Rajbhandari
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2016 年 91 巻 suppl 号 p. 175-177

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抄録

ネパール国立植物標本室 (KATH) において,中央ネパール・ムスタン地域産の標本の中からイネ科イチゴツナギ属の新種を見いだしたので,Poa muktinathensis Rajbh. と名付け記載・発表する.Poa muktinathensis はスズメノカタビラ P. annua L. と P. pseudamoeana Borに似るが,スズメノカタビラからは,第一包穎 (lower glume) は3 脈(まれに1 脈)(スズメノカタビラは1脈)であること,内穎 (palea) の竜骨が粗渋である(スズメノカタビラは内穎の竜骨に綴毛が生える)こと,小花の基盤 (callus) には綴毛が生える(スズメノカタビラは無毛である)ことにより区別される.また,P. pseudamoena からは,葉舌 (ligule) が長い (2.5−3 mm)(P. pseudamoena は0.5−2.2 mm)こと,小花の基盤に綴毛が生える(P. pseudamoena は無毛である)こと,葯が短い (0.4−0.5 mm)(P. pseudamoena は0.6−1.0 mm)ことにより区別される.

(ネパール・カトマンズ G.P.O. Box 9446)

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© 2016 植物研究雑誌編集委員会
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