アジア産ハナゴケ属（ハナゴケ科，子嚢菌門）の分類ノート
2016 年 91 巻 suppl 号 p. 388-395
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2016 年 91 巻 suppl 号 p. 388-395
ハナゴケ属の3 新種を記載した：Cladonia fragosa Ahti & Sohrabi（タイプは中国・吉林省），C. sinoaltaica Ahti & Davydov（タイプは中国・新疆），C. sumatrana Ahti（タイプはインドネシア・スマトラ島）．C. fragosa とC. sinoaltaica はいずれもホモセッカ酸を含み，日本産のヒメレンゲゴケCladonia ramulosa (With.) J. R. Laundon やツエハナゴケC. rei Schaer と形態的には酷似するが遺伝子解析では異なるクレードを形成する．C. sumatrana はR. tenuiformis Ahti に似ているが分枝の叉の孔は稀でタムノール酸を含むので区別できる．また，ヒマラヤ以外からC. awasthiana Ahti & Upreti と報告さ
れた種は何れもC. rei と同定される．ベトナム産のC. tixieri Abbayes はC. cartilaginea Müll. Arg. の異名となった．
