植物研究雑誌
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岡山県北部に産するマムシグサ群(サトイモ科)の分類学的検討
松本哲也佐桒信也邑田 仁
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2018 年 93 巻 4 号 p. 253-268

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抄録

サトイモ科テンナンショウ属Arisaema (Araceae) は約180 種のうち53 種が日本に分布し,その多くが派生的形質に乏しく分類が困難とされるマムシグサ群Arisaema serratum group に属する.2014 年5 月に筆者の一人(松本)は岡山県英田郡西粟倉村大茅において,ヒロハテンナンショウA. ovale と同所的に自生するテンナンショウ属植物に,マムシグサ群の特徴をもつ複数の形態群を認めた.その後,野外での観察により4種の形態的特徴と開花・展葉フェノロジーを比較するとともに,先行研究での他産地における形態的・生態的特徴の記載との整合性を検討した結果,ウメガシマテンナンショウA. maekawae,ホソバテンナンショウA. angustatum,コウライテンナンショウA. peninsulae,ミヤママムシグサA. pseudoangustatum var. pseudoangustatum の4 種に同定できた.

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© 2018 植物研究雑誌編集委員会
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