2016 年 18 巻 1 号 p. 33-47
これまで日本市場では、国産のCGアニメーションはヒット作に恵まれなかった。しかし2014年は、映画の『楽園追放Expelled from Paradise』や『Stand by Meドラえもん』、TVシリーズの『シドニアの騎士』や『山賊の娘ローニャ』と話題作が公開・オンエアされた。これまでのように国産のCGアニメーションが単発で作品をリリースしていた時代と異なり、作品群が立て続けにリリースされ、CGアニメーションを観る機会と見慣れる環境が集中的に出来上がった。またCGアニメーターの力量の向上により質の高いCGアニメーションが制作され、日本市場にフィットした作品群が登場したと言える。本稿では、日本のCGアニメーション市場の動向を『楽園追放Expelled from Paradise』を中心に分析する。