アニメーション研究
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論文
複数映像の並置提示による教育効果の検証〜「動きの探求教育」へ向けて〜
布山 タルト
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2019 年 20 巻 1 号 p. 3-16

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抄録

アニメーション教育を「動きの探求教育」として捉え、その具体的な指導方法の一つとして、複数のアニメーション映像を画面上に並置して見比べる比較観賞教育の可能性を検討する。2本のアニメーション映像を順次再生条件のみで視聴した場合と、並置再生条件も加えて視聴した場合とを比較し、後者の条件において同一映像を2回目に視聴した時の評価に伸びが生じるかを検証した。その結果、特定の刺激映像の動きの「自然さ」の評定尺度において両群の有意差が見られ、並置映像視聴条件における得点の伸びのほうが大きかった。この評定尺度は、Osgood & Suci (1955)の3つの主要因子のうち「評価性因子」に対応するものと考えられ、並置映像視聴による効果が表れやすいのは同因子に関連した評価である可能性が示唆された。

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© 2019 日本アニメーション学会
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