南アジア研究
Online ISSN : 2185-2146
Print ISSN : 0915-5643
ISSN-L : 0915-5643
BJPの政治戦略とヒンドゥー・ナショナリスト運動のグローバルな連関-BJPの在外組織OFBJPの動態を中心に-
中津 雅昭
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 2008 巻 20 号 p. 100-117

詳細
抄録

本稿では、インド人民党 (BJP) のインディアン・ディアスポラ政策とヒンドゥー・ナショナリスト運動のグローバルな展開過程を考察し、BJPの政治戦略や行動がその在外組織OFBJPの動態に連関する構造を明らかにした。
政権掌握後のBJPは、同盟政党との協調等から、ヒンドゥー・ナショナリズム (HN) の追求が困難であった一方、そうしたHNへの姿勢に対し、最大の支持基盤であるサング・パリヴァールは激しく非難していた。そこで、BJPはディアスポラ政策の推進を通じて、HNの追求をディアスポラ社会に転嫁し、OFBJP等のサング・パリヴァールの在外活動への支援を行ったが、こうした政治支援にも関わらず、2004年総選挙で敗北して以降、HNへの関与を求めるOFBJPからもその政治姿勢を厳しく問われる事態に直面することになった。
験論として、BJPは本国の政治過程に関与するOFBJPの動態を軽視できず、国内外のサング・パリヴァールとの関係により、HNへの関与を余儀なくされる点を論じた。

著者関連情報
© 日本南アジア学会
前の記事 次の記事
feedback
Top