2026 年 10 巻 1 号 p. 4-9
本稿は,Asian Working Group for Sarcopenia (AWGS) 2025について,診断の変化をマッスルヘルス(筋の健康)という視点から読み解くことを目的とした。AWGS 2025では,筋量と筋力の低下を診断の中心とし,身体機能評価をアウトカム指標へ再定義するなど,従来の基準から重要な転換が示された。また,50~64歳の中年期基準を新設し,サルコペニアを高齢期に限定された疾患から,ライフコース全体で管理すべきマッスルヘルスへと捉えたことが特徴である。さらに,サルコペニア肥満,BMI補正による筋量評価,ICOPEとの統合など,臨床・社会実装を見据えた再構成がなされた。AWGS 2025は,アジア発の臨床志向型のサルコペニア診断基準として,今後の健康長寿戦略の基盤となることが期待される。