認知的,精神心理的,社会的フレイルへの対策では,身体的側面を含めた包括的な介入が基本となり,多職種による集学的なアプローチが軸となる。そのなかでも認知的,精神心理的,社会的側面への支援では,個々人の生活歴や価値観,環境要因などを考慮する必要があるため,とくに,作業療法の専門性を活かしたアプローチは有効と考えられる。作業療法では,認知機能障害に伴う生活行為の問題や精神心理症状といった個別性の高い生活課題への支援や,個々人にあった社会参加の促進などが重要であろう。また,地域や集団に対しても生活行為に焦点をあて,個々人の生活状況や価値観,目標を取り入れた作業療法アプローチは有益と考えられる。しかし,本領域における作業療法のエビデンスは不足しているため,今後の積極的な作業療法の効果検証が求められる。