近年,幸福やQOL評価では客観的指標に加え,本人の主観的評価が重視されている。特にフレイルや要介護高齢者では,主観的幸福感が死亡リスクとの関連や,客観的な機能低下が幸福感に大きく影響しないなどの報告があり,主観的指標の重要性が増す。主観的幸福感(SWB)は感情的側面と認知的側面から成り,前者にはWHO-5精神健康状態表や感情的well-being尺度,後者には生活満足度尺度K(LSIK)や未来志向のValuation of Life(VOL)が用いられる。また「生きがい」は人生の意味や目的を見出す要素であり,Ikigai-9尺度がよく使用される。これらを用いる際は,測定する側面を理解し,参加者の認知的・身体的負担を軽減する工夫が必要である。幸福感・生きがいの評価は,高齢者の尊厳を尊重し,支援の方向性を考えるうえで不可欠である。