2025 年 9 巻 3 号 p. 403-411
[目的]高齢者の口腔衛生が認知機能低下予防に関与するとされるが,十分な報告はない。本研究では,地域在住高齢者の歯磨き頻度と主観的認知機能低下の関連を横断的に検討した。
[方法]兵庫県香美町高齢者コホート研究の2017年度自記式質問紙調査に回答し,パーキンソン病・脳卒中既往歴がなく,主要変数欠損がない2,349名を分析した。歯磨き頻度を4群(していない,毎日1回,毎日2回,毎日3回以上)に分類し,基本チェックリストで評価した主観的認知機能低下の調整オッズ比を多変量ロジスティック回帰分析で算出した。
[結果]平均年齢は77.7±6.3歳で,男性は997名(42.4%)を占めた。歯磨き頻度が低いほど主観的認知機能低下の割合は増加(p for trend<0.001),毎日3回以上を基準とした調整オッズ比(95%信頼区間)は,毎日2回1.3(0.98-1.7),毎日1回1.4(1.1-1.8),していない2.1(1.2-3.7)であった。
[結論]歯磨き頻度の低さと主観的認知機能低下との関連が示唆された。