2004 年 13 巻 2 号 p. 55-71
筆者は,「知識が未整備で多目標な悪定義の組合せ問題」を対象とした相互参照支援システムHatchを提案している.Hatchは単に問題の「理解」だけではなく,要求を「実現」する解の検討をも支援することに特徴がある.実際のベンチャービジネスによる新事業の立ち上げという経営事例を用いた経営学修士の実務家による意思決定の実験により,システムが意思決定者の知識を整合化させ,意思決定者が暗黙のうちに想定している知識を顕在化させることが示された.それにより,経営的意思決定という現実世界の複雑な問題において本研究の相互参照支援の方法が有効である具体例が提示された.