2005 年 13 巻 4 号 p. 1-16
本論文では,問題解決システムの設計と実装を,システム論に基づく方法論(MGSTアプローチと呼んでいる)に従って行う場合のユーザモデル構築について考察する。この方法論は,定義から原理的には全ての問題が対象となり,またEUD(End User Development)を念頭に置いたレベルではかなりの問題が解けているという意味で,汎用的方法論である。
はじめに,本論文の狙いと位置付けを具体的に明示するために,方法論の概要とそれを適用する対象問題の分類を説明する。この方法論では,対象とする問題をユーザモデルと呼ぶ定式化された形で表現する。ある問題のクラスに対しては,ユーザモデルを導出する操作的方法が存在するが,他のクラスには操作的方法が存在しなかった。本論文では,操作的方法が存在しないクラスに対し,goal orderとcompleteness orderという二つの概念を導入し,ユーザモデルを導出する方法を示す。対象とするクラスは4つのサブクラスに分けられるが,最後に,その各々に対し例題をあげて適用の仕方を示す。