オープンソースハードウエアとは,回路図や関連ソフトウエアのソースコードなどの,すべての情報を公開しているハードウエア製品である.オープンソースハードウエアは,詳細情報を公開することで,製品の販売開始前から支援者を確保できるなどのいくつかの利点があるが,回路図が公開されているために互換品を作ることが合法であり,それら互換品との価格競争にさらされるという欠点もある.互換品は,設計や関連ソフトウエアの開発コストがかからないので,正規品より低価格であり,単純な価格競争では正規品が淘汰される可能性がある.しかしながら現実には,多くのオープンソースハードウエアにおいて,正規品と互換品は共存している.この状況を定量的に探るため,我々は,オープンソースハードウエアであるArduinoというマイコンボードに注目し,Arduinoの利用者が,正規品と互換品に対してどのような評価を行っているかを調査した.オープンソースハードウエアに対する認識が国や文化によって異なる可能性を考慮し,日本と中国で調査を行い,比較を行った.その結果,Arduinoのような正規品の価格が3,000円程度の製品の場合,価格は重要な要素ではないこと,中国では日本よりも正規品がより多く選好されることが判明した.