この論文では,わが国製造業における情報システムにたいする投資と生産性の関係が考察されている。通産省の発表している『わが国情報処理の現状』と日本銀行の発表している『主要企業経営分析』をもとに,日本の製造業の生産関数を試算した。その結果,コンピュータ資本への投資とそれ以外の投資,情報処理費用とそれ以外の費用が生産性にいかに寄与しているかを評価することができた。
得られた結果はきわめて興味深いものであり,例えば,情報投資のもたらす見返りは,それ以外の投資のもたらす見返りよりもはるかに大きく,情報投資を取り戻すのには2年半くらいで済むのにたいして,それ以外の投資を取り戻すには,25年くらいかかるということ,また,情報処理費用はすでに飽和に達しており,これ以上増やしても売上に寄与することは望めないであろうといったことなどが示される。