1995 年 4 巻 2 号 p. 53-70
本論文は、ソフトウェア産業などの情報産業を促進するために政府が取るべき政策について、その基本的アイディアをモデル化し評価・比較することを目的とする。情報産業は、情報ないしは知識を取り扱うが、これは次の意味で他の産業と際だって異なる特徴を有している。すなわち、情報や知識を作り出すには莫大なマンパワーを必要とするにもかかわらず、それをコピーするのはきわめて容易であるという点である。
まず、情報産業における研究開発を促進するにはある種のインセンティプメカニズムが必要であることを示し、メカニズムが満たすべき条件(望ましさ)をいくつかの側面から吟味する。ついで、4つのメカニズムを提案し、それらを比較検討する。これにより、たとえば、法律的な規制が情報産業育成に必ずしも有効ではないことを示した。