1997 年 6 巻 3 号 p. 23-40
本論文では、日本企業において情報システムおよび情報が十分に活用されない構造的要因の抽出の一助とするために、情報システム活用の観点からシリコン・バレー企業とのカルチャー比較を行った。相対的には、日本企業が同質性を追求する組織管理ノウハウを蓄積させているのに対し、シリコン・バレーにおいては、多様性を前提かつ目的とした組織管理が追求されている。システムや論理性、そしてシステム・アプローチは多様性を管理するためのノウハウであり、情報活用や創造性はそれを基盤に発展するものである。情報システム活用の観点からは、日本企業は、システムとは背反する同質性追求のアプローチの限界を認識し、多様性管理・育成に必要な様々なノウハウの蓄積を開始すべきである。