1998 年 7 巻 3 号 p. 65-78
人々を効率的に動機づけるためにどのように報酬を与えるかというインセンティブ・システムの設計問題について分析するためのものとして、エージェンシー・モデルがある。本論文では、従来のエージェンシー・モデルでは明示的にとりあげられることのなかった内発的動機づけをも考慮に入れた新しいモデルを導入し、職務の性質に応じたインセンティブ・システムの設計方法について考える。内発的動機づけの強さ、生産性(努力投入に対する成果の期待値)、成果の不確実性といった職務の性質を表すパラメーターを含んだモデルにより分析を行った結果、1)内発的動機づけの低い職務 2)生産性の高い職務 3)成果の不確実性の低い職務では業績給の導入が効果的になりやすい(大きなインセンティブ効果をもたらしやすい)ということがわかった。