日本外傷学会雑誌
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症例報告
肋骨固定用プレートにより早期人工呼吸器離脱したフレイルチェストの1例
大島 康史飯塚 亮二市川 哲也岡田 遥平小田 和正榊原 謙石井 亘檜垣 聡日下部 虎夫
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2014 年 28 巻 4 号 p. 332-335

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抄録
 症例は69歳,女性,自宅で転倒し,外傷性くも膜下出血,左鎖骨骨折,左外傷性血気胸,左第2〜10肋骨骨折を伴ったフレイルチェストを受傷した.左第3肋骨の遊離骨片が不安定で胸腔内に突出し,肺損傷の合併の可能性が高いため,外科的治療を施行した.術翌日に人工呼吸器から離脱し,治療期間中に肺炎の発症も認めなかった.
 フレイルチェストに対する肋骨固定用プレートを用いた治療は開胸を必要とせず,手術器械による肺損傷の心配もないため,安全で簡便であった.また胸郭変形の改善,人工呼吸器の早期離脱と肺炎予防の利点があり,有用であった.
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© 2014 一般社団法人 日本外傷学会
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