2019 年 33 巻 1 号 p. 20-23
女性の外陰部血腫は出産に伴うものが多く, 性交関連はまれである. 症例は40歳女性. 性交中に外陰部の腫脹および疼痛を自覚した. 疼痛が増悪傾向にあり受診した. 造影CTにて造影剤の血管外漏出を会陰部の血腫内に認めたため, 経カテーテル動脈塞栓術 (transcatheter arterial embolization : 以下TAE) にて止血が得られたのちに外科的に血腫を除去した. 経過は良好で術後5日目に独歩退院した. 外科的血管結紮による止血は血腫により血管等の解剖学的位置が変化するので難しい. 止血に関しては経動脈的塞栓術は有用である. 出産関連だけではなく, 性交関連の外陰部血腫においても増悪傾向にある場合はTAEを考慮すべきである.