2019 年 33 巻 2 号 p. 45-49
頸部穿通性頸動脈損傷では, 出血部位に外科的アプローチが困難な場合, 血管内Covered stent留置術が有効な場合がある. 我々は, 頸部刺創により頭蓋外頸部頸動脈損傷が原因で大量出血し, 出血性ショックに陥り, 緊急輸血を持続しなければ救命できない症例を経験した. 外科的治療ではなく血管内Covered stent留置術を選択し, 良好な結果が得られた. 本症例のような出血死が切迫した状況下では, 将来選択される機会が増える有効な治療法となり得る.