2024 年 38 巻 2 号 p. 37-44
外傷は, 世界の疾病負担の第3位になると予測されている. これに対応するために, 臨床現場で外傷医を効率的に養成することが不可欠である.
AIIMS (全インド医科大学) と日本救急医学会 (JAAM), 日本外傷学会 (JAST) 間の外傷治療の状況について相互協力を深めることを前提として2019年からAIIMSに医師と関連スタッフを派遣し, 逆にAIIMSは日本に医師と看護師を派遣した.
本事業によって, 日本の外傷外科医は手術経験を積み重ね, インドで実際の外傷症例を医療現場で体験することができた. インド側のチームは, 災害及び外傷トレーニングシステムを日本側で体験習得し, これをインド側に持ち帰り独自コースを催行することができた.
今後はさらに, インド側で一般的ではない低侵襲治療手技の導入を軸として, これらをAIIMSに導入する手助けができると考える.