日本外傷学会雑誌
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症例報告
腹壁再建法に工夫を要したトラクター轢過による外傷性腹壁全層破裂の1例
谷﨑 眞輔狩野 謙一前田 重信
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2024 年 38 巻 3 号 p. 441-447

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抄録

 85歳男性. 畑でトラクターの下敷になり下半身がロータリーに挟まれ受傷した. 左側腹部の腸管脱出を伴う開放創, 左大腿部および右下腿部にも開放創を認めた. 横行結腸中央部, 下行結腸遠位部の断裂および左側腹部腹壁の高度の挫滅を認め, 左半結腸切除, 人工肛門造設, 創部デブリードマンを施行した. Negative pressure wound therapyを併用しながら創部管理を行ったが, 再建用軟部組織の合併損傷が高度であったため, 左側腹部腹壁破裂創部に対する左側胸部からの皮弁形成術にて閉腹した.

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© 2024 一般社団法人 日本外傷学会
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