日本外傷学会雑誌
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ドクターヘリにおけるターニケットの適応に関する検討
番匠谷 友紀濱上 知宏松井 大作永嶋 太小林 誠人
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論文ID: 34.4_05

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抄録

 目的 : 四肢外傷に対する止血帯の適応は, 外傷性切断や血管損傷がある場合とされるが, 病院前診療で血管損傷の有無を評価することは容易ではない. 本研究はドクターヘリ (以下, DH) における止血帯の適応を明らかにすることを目的とした. 方法 : DHで止血帯を使用せず病院搬入後に止血帯を使用した症例を, 病院搬入時の創部出血の有無で搬入時出血群と搬入時止血群の2群にわけ, 救急車内でのバイタルサイン等を比較した. 体幹部外傷合併症例は除外した. 結果 : DHで止血帯を使用せず病院搬入した12例のうち6例で搬入時に創部出血を認めた. 搬入時出血群は, 搬入時止血群と比較し, 救急車内でのshock index (以下, SI) が有意に高く (1.40 vs.0.76 (p=0.03) (カットオフ値1)), 全例に血管損傷を認めた. 結語 : 救急車内でSI≧1の四肢外傷症例は血管損傷がある可能性が高く, DHで止血帯使用を考慮する必要がある.

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© 2020 一般社団法人 日本外傷学会
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