日本外傷学会雑誌
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フレイルチェストに対する肋骨固定術後まで診断が遅延した外傷性横隔膜破裂の1例
潮 真也嶋村 文彦
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論文ID: 35.4_01

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抄録

 症例は46歳男性. 横断歩道歩行中にバイクと衝突した. 搬入後, 左フレイルチェスト, 両側多発肋骨骨折, 両側血気胸を伴う多発外傷と診断し, 両側胸腔ドレナージ, 人工呼吸器管理とし, 第7病日に左肋骨固定術を行い, 第8病日に人工呼吸器から離脱した. 第9病日の胸部レントゲンで左横隔膜損傷が顕在化し, 第10病日に横隔膜修復術を行った. 以前から外傷性横隔膜損傷は, 陽圧換気中の診断は困難とされ, 本症例でも人工呼吸器離脱後に診断した. 陽圧換気中の重症胸部外傷においては横隔膜損傷の合併を念頭におき, 画像などでの慎重な精査と, 胸部手術時に横隔膜損傷の確認が困難な場合には, 胸腔鏡での確認が重要である.

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