病院前蘇生的開胸術で救命した重症多発外傷の一例

箕輪 啓太; 今 明秀; 野田頭 達也; 後村 朋美

doi:10.11382/jjast.35.4_03

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病院前蘇生的開胸術で救命した重症多発外傷の一例

箕輪啓太, 今明秀, 野田頭達也, 後村朋美

著者情報

キーワード: フレイルチェスト, ダメージコントロール手術, ドクターヘリ

ジャーナルフリー早期公開

論文ID: 35.4_03

DOI https://doi.org/10.11382/jjast.35.4_03

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The final version of this article is now available: Vol. 35 (2021), No. 4 pp. 294-298

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抄録

　63歳の中国人女性. 奥入瀬渓流を自動車で走行中に道路から遊歩道へ転落し, ドクターヘリが出動した. ショック状態でフレイルチェスト, FAST陽性を認め, ヘリ内で蘇生的開胸術を施行した. 病着前にPEAに移行し, 救急外来でdamage control surgeryの方針として脾臓摘出術を施行した. 精査で脳挫傷, 胸郭損傷 III b, 左肺損傷 I b, 脾損傷 III b, 骨盤損傷 I a, 第7頸椎横突起骨折, 右上腕骨骨折と診断. 第4病日に閉腹術とフレイルチェストに対して肋骨固定術を行った. 術後に創感染や膵液漏を認めたが, いずれも保存的加療で軽快し, 第97病日に独歩退院した. 病院前において生命徴候が消失する可能性のある重症出血性ショックは蘇生的開胸術を考慮すべきである.

責任著者(Corresponding author)

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