日本外傷学会雑誌
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非高リスク受傷機転で発生し, 手術加療を行った乳児頭蓋骨ping-pong骨折の1例
大橋 聡福間 博中尾 彰太
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キーワード: 乳児, 頭部外傷, ping-pong骨折
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 38.3_12

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抄録

 症例は2ヵ月の女児. 自宅にて当時2歳の同胞が誤って患児の頭上に尻餅をついて受傷した. 全身状態は安定していたが, 右側頭部に3cm大の陥没を認めた. 頭部CTで同部位にping-pong骨折を認め緊急で頭蓋骨形成術を施行し, 第8病日に自宅退院となった. 小児では, 骨の弾力性の高さから, ping-pong骨折と呼ばれる頭蓋骨陥没骨折をきたすことがある. 乳児期以降では, 交通外傷など外傷初期診療ガイドラインで高リスク受傷機転と規定されるものでの受傷が多いが, 自然整復も期待され, 手術適応を都度吟味する必要がある. 本症例は高リスク受傷機転には当たらない稀な受傷機転で発生し, 早期手術加療で良好な経過が得られた.

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