日本内科学会雑誌
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III.主な薬剤性肺障害
6.抗菌薬
千田 金吾
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2007 年 96 巻 6 号 p. 1143-1148

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抄録

抗菌薬は日常診療で多用されるため,常に副作用を念頭に置く.ミノサイクリンやST合剤や抗結核薬の使用では,比較的頻度が高い.ペニシリン系薬剤のようにペニシリウムなどの環境真菌に曝露されていたり動物の飼料に配合されている薬剤に感作されていると,速やかに反応が起きる.初めての使用では2週間程度で感作が成立する.薬剤がハプテンとしてペプチドと共有結合し,主要組織適合複合体分子を介してT細胞に抗原提示されることが多い.主要組織適合複合体分子は各個人で異なるため,発症にも個人差がみられる.

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© 2007 一般社団法人 日本内科学会
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