行動分析学研究
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皮膚コンダクタンス反応により検討した刺激等価クラスにおけるノード距離効果
青塚 徹
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1999 年 13 巻 2 号 p. 130-138

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抄録
本研究では、レスポンデント条件づけによる皮膚コンダクタンス反応(skin conductancc rcsponse, SCR)に、ノード距離(すなわち、等価クラスの2つのメンバーに介在するノードの数)による効果が現れるかを検討した。条件1では、7名の被験者を用い、まず4つのメンバーから成る2つの等価クラス(すなわち、A1・Bl・C1・DlとA2・B2・C2・D2)を形成した。次に、被験者に対し、D1の提示には電気ショックを通電し、D2の提示には通電しない条件づけの手続きを行った。そして、2つのクラスのメンバー全てを提示し、それらに対するSCRを測定することにより、DJ-が獲得した条件づけの機能が同じクラスの他のメンバーに転移するかを調べた。SCRの平均反応量のデータによれば、条件づけの機能の転移がある程度示された。更に、Dlと2つのノード(すなわち、BlとCl)によって隔てられたA1に対する平均SCRは、ノードに隔てられていないClに対する平均SCRよりも小さかった。この結果は、SCRに対するノード距離の効果がある程度現れたことを示していた。条件2では、他の7名の被験者を用い、刺激等価性の成立を調べるテストを転移を調べるテス1・の終了後に行った。それ以外は、条件1と同じ手続きで実1験を行った。しかし、平均SCRのデータに転移とノード距離の効果は現れなかった。本実験の手続きを改善し、条件づけによるレスポンデン1・反応に対し、ノード距離がどのような効果を与えるか更に詳しく調べる必要がある。
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© 1999 一般社団法人 日本行動分析学会
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