行動分析学研究
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ハトにおける他個体による刺激性制御 : 弁別刺激として異なる機能を持つ2羽の他個体による制御
中鹿 直樹
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2005 年 19 巻 2 号 p. 137-147

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抄録

研究の目的 : ハトが他個体の反応位置を手がかりにして、2種類の条件性弁別課題を行うことができるかどうかを調べた。またその行動を2羽の他個体に応じて使い分けられるかどうかを検討した。手続き : 被験体(反応ハト)は強化子を得るために、他個体(刺激ハト)の反応位置を弁別刺激として反応することが求められた。2羽の刺激ハトのうち1羽の刺激ハトが提示されたときには、反応ハトは、刺激ハトが反応しているのと同じ側のキーに反応しなければならなかった。一方、別の刺激ハトが提示されたときには、反応ハトは、刺激ハトの反応しているキーの反対側のキーに反応しなければならなかった。被験体 : 2羽のハトを反応ハトとして用いた。さらに3羽のハトを刺激ハトとした。行動の指標 : 反応ハトの正答率と反応数を指標とした。結論 : 反応ハトは、刺激ハトの反応位置を手がかりにして、2種類の条件性弁別課題を行うことができた。また2羽の刺激ハトに応じてその行動を使い分けることができた。

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© 2005 一般社団法人 日本行動分析学会
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