行動分析学研究
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発達障害児者における自己管理スキル支援システムの構築に関する理論的検討
竹内 康二園山 繁樹
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2007 年 20 巻 2 号 p. 88-100

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抄録

これまで様々な自己管理スキルを発達障害児者の問題に適用した研究が行われてきたものの、自己管理の方略を体系的に整理することは十分にはなされていない。そこで本論文では、様々な自己管理スキルを応用行動分析学的観点から体系的に整理し、自己管理を計画、実施、評価、分析、支援するための新たな枠組みとして「自己管理スキル支援システム」を提案することを目的とした。「自己管理スキル支援システム」は、(1)「標的行動の定義」、「弁別刺激の整備」、「自己記録」からなる手続きの段階、(2)「目標やルールの設定」と「自己評価」からなる手続きの段階、(3)「強化子(または弱化子)の選択・準備」と「自己確立操作」、「自己強化(自己弱化)」からなる手続きの段階の3つの段階から構成されるものであり、また競合行動への介入にも焦点を当てるところに特徴がある。この「自己管理スキル支援システム」の利点を「支援付き自己管理」の観点から考察した。

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© 2007 一般社団法人 日本行動分析学会
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