行動分析学研究
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一事例実験データの処遇効果検討のための記述統計的指標について : 行動分析学研究の一事例実験データの分析に基づいて
高橋 智子山田 剛史
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2008 年 22 巻 1 号 p. 49-67

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抄録

一事例実験データの処遇効果を表現するための数々の効果量が提案されているが、それらについて、効果量の値の解釈基準が現状ではほとんどない。そこで本研究では、行動分析学研究に掲載された実際の一事例実験データを対象として、これらの効果量について効果の判新基準の作成を目的とし、行動分析学研究より抽出された63個の一事例実験データについて(1)各効果量の値の範囲、(2)効果量間の関連を検討した。その際、比率に基づく効果量(PND)、平均偏差に基づく効果量(ES_BS1、ES_BS2、MBLR、ES_H)、回帰に基づく効果量(LTD、ES_C、ES_AG)、合計8種類の効果量の算出を行い、各効果量の分布や効果量間の相関係数の値を、海外の雑誌における一事例実験データやシミュレーションデータを対象に行われた先行研究の結果と比較した。さらに、クラスター分析により、効果量の分類を試みた結果、8つの効果量を3つのグループ(グループ1 : ES_H、MBLR、ES_C。グループ2 : ES_BS2、ES_AG、LTD、ES_BS1。グループ3 : PND)に分類することができた。

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© 2008 一般社団法人 日本行動分析学会
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