行動分析学研究
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相互依存型集団随伴性が通常学級集団の適応行動に及ぼす効果 : 発達障害児の在籍する小規模学級における試み
福森 知宏
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2011 年 25 巻 2 号 p. 95-108

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抄録

研究の目的本研究では、発達障害児の在籍する小学校通常学級集団に相互依存型集団随伴性を適用し、学級集団の適応行動増加への効果を検討することを目的とした。研究計画行動間多層ベースラインデザインを用いた。場面公立小学校の通常学級において本研究を実施した。参加者小学校5年生の児童9名(発達障害児1名を含む)が本研究に参加した。介入標的行動1は「係活動を忘れずに行う」、標的行動2は「10分間に作文を5行以上書く」、標的行動3は「今日のニュースを発表する」であった。介入では、グループ編成を行い1つの標的行動に対して全員が正反応を示したグループに強化子として班ポイント(トークン)を与えた。さらに、班ポイントはバックアップ強化子と交換できるように設定した。行動の指標各標的行動に正反応を示した人数の率を記録した。結果各標的行動の正反応率が増加した。また、児童と学級担任双方から本プログラムに対する肯定的な評価が得られた。結論発達障害児の在籍する通常学級集団の適応行動増加に相互依存型集団随伴性の適用が有効であった。

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© 2011 一般社団法人 日本行動分析学会
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