抄録
研究の目的自閉性障害児の排泄行動に対する保護者支援において、機能的アセスメントに基づいて指導手続きを立案し、保護者による記録結果に基づき指導手続きを修正することの効果を検討した。研究計画ベースライン後に介入を実施し、指導手続きを適宜修正した。場面保護者が日常場面で指導し、所定の用紙に結果を記録した。対象児5歳の自閉性障害児2名とした。介入機能的アセスメントに基づいて指導手続きを立案した後に、保護者と実行可能性を検討して修正した。修正した指導手続きを保護者に教示し、記録結果から指導手続きをさらに修正した。行動の指標保護者の記録から、排泄の成功・失敗の生起数および正反応率を算出した。結果いずれの対象児も排泄の失敗が減少し、1名の対象児では自発的に排泄を知らせる行動がみられるようになった。結論排泄行動に対する保護者支援において、機能的アセスメントおよび保護者の実行可能性に基づいて指導手続きを立案すること、記録から指導手続きを適宜修正することの有効性が示唆された。