2011 年 26 巻 1 号 p. 62-70
研究の目的本研究の目的は、論文執筆への時間配分に与える目標設定とパフォーマンス・フィードバックの効果を検討することであった。研究計画参加者間多層ベースラインデザインを用いた。場面参加者の任意の生活場面でデータ収集を行った。参加者参加者は、男子大学院生3人であった。介入自己記録用紙を用いた参加者自身による目標設定、自己フィードバック、他者フィードバックを介入方略として用いた。行動の指標論文執筆に費やした時間、参加者自身が判断した自己調節可能な時間を主な従属変数として測定した。結果3人の参加者のうち2人は、目標設定+他者フィードバック期で最も多くかつ継続的に論文執筆に時間を配分していた。残りの1人の参加者は、研究期間を通じて論文執筆に時間を配分することはほとんどなかった。結論論文執筆への時間配分は、参加者および介入条件に応じて違いが見られた。結果から、他者との関係性がパフォーマンス・フィードバックの効果に強い影響を与えることが示唆される。