行動分析学研究
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自閉症スペクトラム障害のある生徒の独語行動の減少に及ぼす教示と自己記録の効果
太田 研齋藤 正樹
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2014 年 28 巻 2 号 p. 82-93

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抄録

研究の目的 本研究の目的は、自閉症スペクトラム障害のある生徒によって示される独語行動を減少させること、および独語行動の減少に及ぼす教示と自己記録の効果を比較検討することであった。研究計画 操作交代デザインと場面間多層ベースラインデザインを混合した。場面 参加者の家庭において3つの場面(漢字場面、数学場面、工作場面)を設定した。参加者 自閉症スペクトラム障害のある男子高校生1名が参加した。独立変数 教示または自己記録を導入した。行動の指標 独語行動が生じたインターバルの割合とした。結果 すべての場面において教示および自己記録の導入に伴い、独語行動の割合は減少した。自己記録条件における独語行動の割合は、教示条件よりも低水準に減少した。結論 自閉症スペクトラム障害のある生徒によって示される独語行動の減少において、自己記録は教示よりも効果的に作用することが示唆された。今後の課題として、教示の提示間隔と自己記録の記録間隔の統制が残された。

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© 2014 一般社団法人 日本行動分析学会
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