行動分析学研究
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研究報告
社会的影響とルール支配行動――ルール呈示者数がルール性制御に及ぼす影響――
中村 敏佐伯 大輔
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2019 年 34 巻 1 号 p. 20-33

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抄録

研究の目的 本研究は、複数の他者からルールを呈示されることがルール性制御にどのような影響を及ぼすかを検討した。研究計画 3群の群間比較法。場面 参加者は個室で2成分の多元スケジュールに曝された後、大部屋で点数の獲得方法(ルール)を他の参加者(実際は協力者)と共有した。参加者 66名の大学生。独立変数の操作 共に実験に従事する他者の人数(参加者間)、および1強化あたりの反応数に依存する点数配分(参加者内)。行動の指標 2成分の多元スケジュール下の各成分に対する1強化あたりの反応数、およびルールの選択。結果 ルール呈示者数とルール追従反応数の間には、有意な線形の関係がみられた。また、ルール呈示者2人群の自己ルールと反応は相関していなかった。結論 本研究の結果は、社会心理学の領域で指摘されている、影響源の数が増加することで社会的影響が強まるという知見と一致しており、ルール呈示者数が自他のルール性制御に影響を及ぼす可能性を示唆している。

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© 2019 一般社団法人 日本行動分析学会
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