論文ID: 20-042
本研究では、13カ月継続して不登校であった中学2年生(男子)に対して登校行動の再形成と維持を目的に、アセスメントの指標としてストレス、学力、体力、社会性の客観的指標を追加した包括的支援アプローチを適用し、その効果を検討した。彼の不登校は、不登校発現前条件が学業理解困難、維持条件が母親と教員による彼のストレス対象を除去する対応、家庭滞在時における祖母の世話焼き、家庭教師配置、動画視聴と考えられた。そこで登校行動の再形成と維持のために質問スキル訓練、持久走、学習指導、相談室を活用した登校行動の再形成、休み方の指導を実施した。1.2カ月(8セッション)後、彼は段階的に再登校し、卒業まで18カ月間登校、高校進学後も2年間無欠席を続けた。学力・体力・社会性の客観評価追加は、正確な行動アセスメントによる技法選択、再登校開始および支援終結の実施を可能とした。今後の課題は、これらの基準の妥当性検討である。