認知行動療法研究
Online ISSN : 2433-9040
Print ISSN : 2433-9075
うつ・不安予防における反すう焦点化認知行動療法自助プログラムの長期的な有効性——多層ベースライン法による検討——
梅垣 佑介古藤 愛理
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ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 23-027

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抄録

反すう焦点化認知行動療法(RFCBT)は、うつ病・不安症の発症・維持に関わる反すうに直接働きかけるCBTであり、うつ病・不安症に対する支援・治療と予防における有効性が示されている。本研究では、うつ病のリスクが高い女子大学生におけるRFCBTの有効性を検討するため、反すう・心配傾向が高い21名を対象とし、セラピストが最小限のサポートを行うRFCBT自助プログラムを提供した。一人一人の対象者の時系列的変化を詳細に検討するため、研究デザインとして多層ベースライン法を採用した。また、予防における有効性を検討するため、12カ月後にフォローアップ測定を実施した。グラフを視覚的に検討した結果、反すう・心配・抑うつ・不安は介入期間において軽減し、フォローアップ期間でも同様の傾向が認められた。これらの結果に基づいて、うつ・不安予防におけるRFCBTの有効性について考察し、今後の展望を示した。

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© 2025 一般社団法人日本認知・行動療法学会
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