論文ID: 23-027
反すう焦点化認知行動療法(RFCBT)は、うつ病・不安症の発症・維持に関わる反すうに直接働きかけるCBTであり、うつ病・不安症に対する支援・治療と予防における有効性が示されている。本研究では、うつ病のリスクが高い女子大学生におけるRFCBTの有効性を検討するため、反すう・心配傾向が高い21名を対象とし、セラピストが最小限のサポートを行うRFCBT自助プログラムを提供した。一人一人の対象者の時系列的変化を詳細に検討するため、研究デザインとして多層ベースライン法を採用した。また、予防における有効性を検討するため、12カ月後にフォローアップ測定を実施した。グラフを視覚的に検討した結果、反すう・心配・抑うつ・不安は介入期間において軽減し、フォローアップ期間でも同様の傾向が認められた。これらの結果に基づいて、うつ・不安予防におけるRFCBTの有効性について考察し、今後の展望を示した。