生物教育
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Print ISSN : 0287-119X
研究論文
各種ソフトドリンクを用いた培養における繊毛虫ゾウリムシの個体群成長
高橋 忠夫阿比留 朋香岸 久美子西村 友里田端 ゆか里
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2001 年 42 巻 1 号 p. 2-10

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抄録

繊毛虫ゾウリムシは細胞生物学における最も重要な材料であるだけでなく細胞の構造や生理などを生徒達に理解させるための優れた教材である.それ故,生きたゾウリムシを生徒達に提示することは非常に望ましい.ゾウリムシは,様々な培養液で,比較的容易に培養できるが,それらの培養液の調整や滅菌は面倒な作業である.それ故,教育現場では,より簡便なゾウリムシの培養法の開発がもとめられている.0.1%カロリーメイト液がゾウリムシの培養液として用いることができることは既に猪狩(1992)によって報告されている.そこで,本研究ではカロリーメイトを含む様々なソフトドリンクでゾウリムシが培養できるかどうかをより詳しく検討した.その結果,0.1%カロリーメイト液がP. trichiumの培養に最適であることを確認した.また,この場合,ゾウリムシの培養初期密度は定常期の細胞密度にほとんど影響を与えないということも分かった.さらに,カロリーメイトに含まれるビタミン類がゾウリムシの増殖にとって重要な成分であることが示唆された.

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© 2001 一般社団法人 日本生物教育学会
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