生物教育
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研究論文
初等理科を専攻する学生の植物栽培と動物飼育に関する認識
安藤 秀俊
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2007 年 47 巻 3 号 p. 99-108

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抄録

初等教育教員養成課程理科専修の大学生に対して,4ヶ月にわたる栽培活動を行う最初と最後の時期に,植物の栽培と動物の飼育に対する意識調査を行った.2回目の調査では,17の質問項目のうち13項目において,5段階の尺度で3.38以上の平均得点が得られ,栽培や飼育に関して前向きで肯定的な認識がみられた.また,分散分析を行ったところ,17の質問項目のうち8項目で男女間に有意な差が見られた.しかし,栽培を行う前後2回の調査時期による有意な差は認められなかった.また,2回目の調査の結果をもとに因子分析を行ったところ,「動植物への愛着・積極性」と「動物への好感・植物の愛育」という2つの因子が抽出された.これらは,植物や動物を育てることが好きで,能動的に関わりたいという動植物への好感と前向きな意識,また,植物への世話をいとわない献身的な愛情が,学生の中に認識されていたことを意味している.

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© 2007 一般社団法人 日本生物教育学会
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