高等学校の授業におけるDNAリガーゼの作用を確かめる実験教材の開発と実践を試みた.λDNA(λファージのDNA)を制限酵素Hind IIIで分解したものを基質として, T4リガーゼ(T4ファージのDNAリガーゼ)を用いたライゲーションを行った.両者を緩衝溶液に溶解した溶液を混合し,3分間室温で反応させた.電気泳動を行い, Fast Blast DNA Stainを用いてDNAを染色すると,基質のDNA断片より移動度の小さいDNA断片が形成されることが確認でき,T4リガーゼによってDNA断片が結合することが示された.本実験を授業に導入をしたところ,実験操作が簡便であることも有り,大多数の生徒達は実験を達成することができた.本実験を通じて,生徒はDNAリガーゼの機能を確認し,バイオテクノロジーについての興味,関心が一層高まったといえる.