生物教育
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研究報告
生物の共通性と多様性の見方を養う小学校3年生向けの理科授業の開発
―翅の枚数が少ないハエやカは昆虫かどうかを考える―
山野井 貴浩, 阿部 なつの
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2019 年 60 巻 3 号 p. 130-136

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抄録

次期学習指導要領における生命分野の理科の見方は「生物の共通性と多様性」である.この見方を働かせるためには,まずその見方を養うことが必要となり,理科が始まる小学校3年生の学習ではとりわけその養成が肝心である.小学校3年生の昆虫学習においては「昆虫の体は頭・胸・腹に分かれていて,脚は胸に6本付いている」という共通性に加えて,この共通性から逸脱している昆虫を扱うことで,この見方を養うことができると考えられる.例えば,ハエやカは,後翅が退化し平均棍に変化しているため,多くの他の昆虫に比べると翅の枚数が2枚と少ないことが知られている.よって本研究は,小学校3年生理科における昆虫の学習において,ハエやカなどの双翅目昆虫を授業で扱うことで,生物の共通性と多様性の見方を養うことができるかどうかを授業前後に行った質問紙調査により検討した.その結果,授業前は約半数の児童が「翅が2枚しかない」等の理由によりハエやカは昆虫ではないと判断していた.しかし授業後には,他の昆虫と同様に「頭・胸・腹に分かれている」,「触角がある」という共通性や,後翅が退化した平均棍の存在という多様性を踏まえ,多くの児童がハエやカも昆虫であると判断できるようになったことが示唆された.以上から,今回開発した授業を通して,児童は生物の共通性と多様性の見方を養うことができたと言えるだろう.

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© 2019 一般社団法人 日本生物教育学会
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