生物教育
Online ISSN : 2434-1916
Print ISSN : 0287-119X
研究報告
高専における生物学の学習形式の違いによる学生の学習意欲の相違
長井 清香天内 和人笠原 恵
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2021 年 63 巻 1 号 p. 22-29

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抄録

講義形式の異なる2校の高専を比較して,高専における有効な生物学教育法の検討を行った.A高専では,モジュール型アクティブラーニングを実施しており,B高専では,聴講型の講義を実施した.アンケート調査により,生物学の講義に対する学生の意識を比較したところ,勉強の必要性と楽しさの感じ方に差は見られなかった.また,多くの学生が,役立つと感じ,将来も役立てたいと答えた.どちらの講義も満足度が高く,講義の成功が伺えた.しかし,学習意欲に関しては,A高専は,61%の学生がやる気を感じているのに対して,B高専では,40%であった(p = 0.03).また,A高専では,69%の学生が講義を面白かったと答えたのに対し,B高専では,55%しかなかった(p = 0.02).差が見られた要因の一つとして,講義形式の違いが考えられ,モジュール方式,多様な講義形式と評価形式,アクティブラーニング法が,学習意欲の向上と講義を面白く感じることに,有効であることが示唆された.

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© 2021 一般社団法人 日本生物教育学会
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