バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
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わが国におけるバイオフィードバックの研究および応用の現状 : アンケート調査より
稲森 義雄稲森 里江子松永 一郎
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1988 年 15 巻 p. 9-14

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抄録

わが国におけるバイオフィードバックの現状を知るため,日本バイオフィードバック学会会員に質問紙を発送し,有効回答97通を得た。質問内容は会員の構成,機器,基礎研究,臨床応用,そしてバイオフィードバックの今後の展望,についてであった。会員の構成は心理学者(42%),医学者(38%)が80%以上をしめ,残りは工学者(11%)と体育(4%)その他の領域とする会員であった。バイオフィードバック機器の評価はかなりの満足度であったが,今後の機器には価格の低下と多様化を要求する声が多かった。回答者の約8割が基礎研究の経験者であり,臨床応用には約半数が経験ありと答えた。反応指標は筋電図が最も多く用いられており,臨床的有効性の評価も高かった。他方脳波は臨床的有効性を否定する意見もあり,評価が分かれた。日本におけるバイオフィードバックの普及は十分でないとの意見が大多数であった。その原因には保険制度や教育機関の不備が,また,標準的な方法の確立されていない点が指摘された。しかし多くの会員が今後バイオフィードバックの応用範囲が広がるであろうと予測していた。

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© 1988 日本バイオフィードバック学会
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