バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
Print ISSN : 0386-1856
論文
スマートフォンを利用した低コスト筋電図バイオフィードバック装置の性能試験
鈴木 里砂村岡 慶裕岡崎 俊太郎
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2017 年 44 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

【目的】我々は, 筋電図バイオフィードバック療法の普及を促進する目的で, 最新の主要なスマートフォン, タブレット端末で使用可能な低コスト簡易型筋電図バイオフィードバック装置 (以下, LC-EMG) を改良した. 今回, この改良したLC-EMGがどの程度の性能を有しており, バイオフィードバック療法で使用可能となる性能を持ちうるか検討するため, 既存の検査用筋電計と比較し, 筋電波形の一致度を確認したので報告する.

【方法】正電極, 負電極, および参照電極からのコードをそれぞれLC-EMGと検査用筋電計である日本光電工業社製Neuropack 8に接続し, 性能比較を行った. 対象者の右尺側手根伸筋に電極を貼付け, 手関節掌背屈運動を10秒間で5回実施し, 得られた筋電波形を比較検討した.

【結果】提案装置は, 筋収縮量や収縮のタイミングが検査用筋電計とほぼ同様であり, EMG-BF装置として, 妥当性のある筋活動を, 容易かつリアルタイムに視認できた.

【結論】今回の提案装置は, EMG-BF療法で活用する時に, 妥当性があることが示された. また, 機器自体を低コストで作成でき, 広く普及しているスマートフォン, タブレット端末を筋電図モニター及び筋電図波形の記録装置として利用可能となるため, 施設や在宅など場所を選ばず利用することができ, 汎用性に優れた装置であるといえる.

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© 2017 日本バイオフィードバック学会
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