バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
Print ISSN : 0386-1856
シンポジウム
身体的コミュニケーションとバイオフィードバック―ダンス/ムーヴメントセラピーにおける 「動きながら」 の介入
成瀬 九美
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2017 年 44 巻 2 号 p. 83-90

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抄録

 身体接触や身体模倣が含まれる身体的コミュニケーションは, 話し手から聞き手へという一方向性や交替性が明確な言語的コミュニケーションとは異なり, 対人交流場面に起こる力動性が個人に気づきをもたらす. 医療や福祉の現場では治療や援助の媒体としてグループワークが取り入れられているが, そのプログラムのひとつにダンス/ムーヴメントセラピー (DMT) がある. DMTは個人の情緒的社会的認知的身体的統合を促進する一過程として身体的コミュニケーションとしてのダンス/ムーヴメントを用いるものである. DMTのセッションでは, 対象とする人の内的な感覚を外に表出できるからだの使い方が尊重され, その人の身体表現をより豊かに, からだづかいの選択肢が拡がるように, セラピストの身体を枠組みとして, 動きの強さ・空間 (方向) ・リズム・フォルムを使いながら動き合う. 他者とともに居て・ともに動く, DMセラピストのからだは, バイオフィードバックとして他者に機能しているといえるのではないだろうか. 二者の速度同調についての実験データを参照しながら, DMTにおけるセラピストとクライアントの関係性について考察する.

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© 2017 日本バイオフィードバック学会
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