バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
Print ISSN : 0386-1856
原著
手足写真を用いたメンタルローテーションにおける異なるイメージ操作 : 部位間の比較を通して
上田 遥菜成瀬 九美
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2019 年 46 巻 1 号 p. 3-10

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抄録

 運動イメージの想起には個人差があるとされ, さまざまな方法で検討がなされており, メンタルローテーション (以下, MR) 課題もその一つである. 身体部位を用いたMRでは筋感覚的な運動イメージが関与し, 生体力学的な制約が生じる角度では反応時間が延長することが報告されている. しかし, MR課題で用いる身体部位や個人特性の違いにより反応時間の延長に異なる特徴が見られており, 視覚的運動イメージおよび筋感覚的運動イメージの両方が関与していることが考えられる. そこで, 本研究では, 身体部位を刺激とするMR課題で用いられることが多い手や足の表裏, すべての部位を刺激として, 身体部位や角度の特性を明らかにする. 各部位に対する課題時の視覚的運動イメージおよび筋感覚的運動イメージの関与を検討し, 刺激としての適性を把握することを目的とした.

 被験者は, 右利きの健常な女子24名 (平均年齢21.4歳) を対象とした. MR課題の刺激として, 手 (掌側・背側) と足 (底側・背側) のそれぞれ左右の写真を60°ずつ回転させた画像 (0°, 60°, 120°, 180°, 240°, 300°) を用いた. 各部位の反応時間およびエラー率のデータに関し, 手足, 表裏, 左右, 角度の4要因分散分析を行った.

 結果, 反応時間において, 手足と表裏および表裏と角度に有意な交互作用が認められた. 手足背側では180°において反応時間が延長し, 手掌側および足底側では実際に動かすことが困難な角度で反応時間の延長がみられた. 本研究結果より, 自己身体への親近性や身体図式を把握するためのMRの活用を想定した場合, 手の表と裏の両方を刺激写真として, 各角度における反応時間およびエラー率の関係性に着目することが重要であることが示唆された.

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© 2019 日本バイオフィードバック学会
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