バイオフィードバック研究
Online ISSN : 2432-3888
Print ISSN : 0386-1856
原著
内受容感覚が皮膚温バイオフィードバック訓練に与える影響
重田 真宏長野 祐一郎
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2026 年 53 巻 1 号 p. 2-12

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抄録

 発表場面などのストレス状況では,心臓がドキドキする,指先が冷たくなるなどの症状が生じる.こうした感覚を内受容感覚という.バイオフィードバックによる生体情報制御は,このような内受容感覚の影響を受ける可能性がある.

 本研究では,自宅で容易に訓練が行える低コスト皮膚温バイオフィードバック装置を用いて,3週間の訓練が皮膚温制御に与える影響について検討し,さらに内受容感覚の影響についても同時に検討した.本研究は,(1)自宅での訓練,(2)大学の実験室における効果測定,の2種類に分かれる.自宅での訓練では,上下方向の訓練を3週間実施した.大学での効果測定では,自宅での訓練効果を確認するため,1週間ごとに計4回の測定を行った.皮膚温は,非利き手の第2指腹側部より測定した.内受容感覚の測定には,内受容感覚への気づきの多次元的評価を使用した.

 その結果,3週間という短期間であっても皮膚温の上下制御能力が向上し,特に上昇訓練において皮膚温の上昇が明確に認められた.また,訓練回数を重ねることで制御成績が向上する傾向がみられ,初回に比べ2回目以降では皮膚温変化量が有意に高まる傾向が認められた.さらに,性別による違いも確認され,男性は下降訓練より上昇訓練で大きな皮膚温変化を示したのに対し,女性は訓練方向による差が明瞭ではなかった.加えて,内受容感覚の高さが皮膚温制御成績を高めることが示され,特に身体感覚への気づきが優れた個人ほど,訓練効果が得られやすい傾向がみられた.

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