行動医学研究
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総説
ライフスタイルと大腸腫瘍の疫学研究
古野 純典
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2001 年 7 巻 2 号 p. 67-73

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抄録
大腸がんはわが国にあって増加の著しいがんの一つである。低繊維・高脂肪の食事が大腸がんの発生要因として重要視されていたが、最近の疫学研究の結果は必ずしもこの仮説を支持するものではない。多くの疫学研究の結果から、野菜が大腸がんに予防的であることは確実であり、赤身の肉が大腸がんのリスクを高めている可能性が強いと考えられる。また、運動が大腸がんに予防的であることも確実と考えられる。大腸腺腫は良性の大腸腫瘍であるが、大腸の前がん病変であることは間違いない。大腸腺腫の研究では、大腸がんの場合にくらべ、より最近の要因暴露を問題とするので、より正確な要因暴露の情報が得られる。自衛官の研究では大腸腺腫と関連するライフスタイル要因について検討したが、運動不足および肥満がS状結腸腺腫のリスクを高めていることが明確になった。喫煙は腺腫リスクと強く関連しており、飲酒による腺腫リスクの軽度の高まりも観察された。行動医学研究の発展のために、職域健診や住民健診を活用した疫学研究を展開することが望まれる。
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© 2001 日本行動医学会
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